「5歳児健診」あるんですか!?
息子がついに5歳になりました。3歳の時に自閉症スペクトラム(軽度)と診断を受けてから、彼なりの成長を感じてきましたが、やはり「5歳」という衝撃には、嬉しさと同時に動揺が入り混じっているのが正直なところです。
さて、多くの自治体では乳幼児健診が行われていますが、これは母子保健法に基づいて各市町村などが乳幼児に対して行うもので、「1歳6ヶ月健診」および「3歳児健診」については実施が義務化されています。そのため、自治体によって「5歳児健診」が無いという場合もありますし、実施場所や健診のやり方も各自治体で異なります。法制化されていない健診のため、発達障害児の早期発見等に有用であっても自治体のコスト負担になるなど健診実施には様々な難しさがあるようです。
誕生日を迎える前に役所から「5歳児健診」の案内が届き、すっかり忘れていた私は、『あるんだ!』と思いました。
健診の目的は、発達障害に気づくこと
厚生労働省のサイトを見たところ、5歳児健診の最大の目的は、「保護者が発達障害に気づく」ことにあると記載がありました。※1
この気づきにより、就学までどのように過ごすか(指導するか)、どのように教育機関へ橋渡しをしてゆくかなど、子供への適切な対応や就学に向けての準備へとつなげていくというのが重要なのだそうです。3歳健診では気づきにくい軽度の発達障害などが、5歳頃に分かったというケースはあるようです。
※1 出典: 『軽度発達障害児に対する気づきと支援のマニュアル』第三章 健診・発達相談等の実際
1歳6ヶ月頃には対人関係の基礎となるコミュニケーションや社会性の土台が芽生えてきます。健診では、歩行などの運動機能、視覚聴覚、ことば、精神発達の度合いをチェックしたり、保護者にも虫歯や栄養指導などが行われます。
3歳頃には、生活習慣の自立、自我の芽生えなど「社会性」が急速に発達します。視覚や聴覚、運動機能、心の発達状況を確認し、1歳6ヶ月健診の時には分からなかった発達の遅れや難聴、斜視、弱視などを早期に発見し対応していくことが目的です。
事前にある「問診票」の内容
息子が受けた「5歳児健診」で使用された問診票の主な内容になります。
▼子供の状態についての質問①
- 起床時間、就寝時間
- 朝食は毎日食べているか
- おやつの時間は決まっているか
- 毎日外で遊ぶか
- テレビや動画をどのくらい見るか
- 目が悪いという心配があるか
- 耳の聞こえが悪いという心配があるか
- ウンチをした後、自分でふけるか
- 一人で洋服を着たり脱いだりできるか
- 話し方で気になることがあるか
- 保育園や幼稚園でお絵描きの時間にちゃんと絵を描かず席を離れることがあるか
- 座っていても、「ごそごそ」していて何度も姿勢を変えるか
- 同年代の子供よりも一人で遊んでいることが多いか
- ある特定の話題や活動の話ばかりしたり、勝ち負けや順位にこだわったりすることがあるか
- 予定が変わるときには前もって言っておかないと大騒ぎすることがあるか
▼ 子供の状態についての質問②
- まねて四角が描ける
- 信号を見て正しく道路をわたる
- ジャンケンの勝敗がわかる
- 数字の数え方がわかる(5まで)
- 園であったことを話してくれる
- 両親の姓名(苗字と名前)をいう
- はっきりと自分の姓名(苗字と名前)をいう
- 相手に聞いてから他の子の物を使う
- 園では集団での指示を理解し、従える
- ごっこ遊び、交互あそびを他の子とできる
- 順番を守って行動する
- 片足ケンケンができる
- ブランコがこげる
- ボタンのかけ外しができる
- 紙を直線に沿ってハサミで切る
▼保護者への質問
- よく眠れますか
- お子さんを叩いたり閉じ込めたいと思ったことがありますか
- お子さんと一緒にいるとイライラすることがありますか
- 子育ては楽しいですか
- お子さんが小学校に行くのが楽しみですか
やはり全体的に発達の状況を確認する内容になっています。また、保護者への質問には保護者のメンタルなどを確認するような内容があるのが印象的でした。
ちなみに私は、「閉じ込めたいと思ったことがある」「イライラしたことがある」「小学校に行くのが楽しみではない」と回答しました。その時のメンタルにもよるのですが、少しマイナスな気持ちになってしまっていることも正直あります😓
とにかく、障害児を持つ親としては気持ちのコントロールはとても大切なので、親自身も気持ちの切り替えやストレスの発散を身に着けておくべきだなと感じます。
健診内容と息子の様子
息子が受けた5歳児健診の内容とその様子は以下の通りです。
- 身長、体重、頭囲を測りました。
- 身体測定は保育園でも定期的に実施していますので、特に問題ありませんでした。
- 視力検査は、C字の並んだもの(ランドルト環)を使用して行われました。
- しかし、息子はこの視力検査のやり方自体が理解できていなかったので、うまく測定できませんでした。日ごろから練習をしていれば良かったと少し反省しました。
- 「離れたところに立って行う」「片目ずつ隠して見る」「C字のどこが無くなっているかを指差しまたは言葉で伝える」このことが理解できていないと視力検査は難しいです。

- 片足だけで数秒立っていられるか確認がありました。
- 息子はフラフラしながらも片足ずつ立っていられました。
- しりとり遊びができるかどうかの確認がありました。
- 息子は言葉の発達が遅く、4歳になってようやく二語文が出るようになり、4歳の後半からどんどん言葉が増え始めています。しりとり遊びについては、まだ理解できないのではないかと思ったこともあり、家でしりとり遊びはしていませんでした。
- そのためルールが理解できていなかったので、「『り』のつくもの何?」などと聞かれながら答えていました。
- じゃんけんをして勝ち負けが分かっているかの確認がありました。
- 息子は保育園でも家でもじゃんけんで遊んでいたので、どちらが勝ったか正しく判断し、示すことができました。
- 最後に5歳児健診を担当する先生からの問診がありました。
- 息子は一人で椅子に座っていられる時もたまにありますが、この日はいつもとは違う刺激も多かったので、一人でじっと座ることができず、私が膝の上に息子を座らせ、息子が好きにどこかに飛んでいかないように抱きかかえていました。
- まず子育てで不案なことがないかを聞かれたため、「息子は自閉症と診断を受けているので発達の遅れや今後の成長、就学に向けて不安は色々あります」と答えました。
- 先生から息子へ質問がいくつかありましたが、半分は答えられませんでした。
「お名前は?」 → 〇
「何歳ですか?」 → 〇
「誕生日は何月何日?」→ ×
「保育園の名前は?」 → ×
「クラスの名前は?」 → × お友達の名前を答えていました(笑)
「嫌いな野菜は?」 → 〇
「好きな野菜は?」 → 〇 ピーマンと答えていましたが、絶対好きではない(笑) - 彼なりの成長の様子を確認しながら、就学に向けて療育センターでお話があると思うので、そこで相談していくよう言われました。
息子は5歳になってもまだまだ会話が成り立たないところが多くあります。今回の問診ではクラスの名前を聞かれたのにお友達の名前を答えていたので審査票に『会話が成立しにくい(答えがずれる)』と記載されました。
普段でも、例えば、保育園で何をして遊んだかを聞くと、「バナナ食べた」「お外行かなかった」というような言葉が返ってきます。(給食は遊びじゃないんだけどなぁ・・😓やらなかったことは聞いてないんだけどなぁ・・😅)
それでも以前と比べると少しずつ会話ができるようになってきたので、家族間でも会話をたくさんしながら徐々に言葉を増やして欲しいと思います。やはり会話ができると楽しくなりますからね。
「5歳児健診」の感想
5歳児健診については、その目的にもある通り、すでに発達障害の診断を受けている場合にはあまり受診する理由はないだろうと感じます。ただ、今回受診したことで「やっぱりこれができない」「やっぱりこれが苦手」「これは今後やってみよう」と気づくことが収穫だったのだろうと思います。
乳幼児健診を受診しない親御さんもいらっしゃると思いますが、結果はどうあれ、せっかくの機会ですし、受診するのが基本なのだろうと個人的には思います。
ただ、もしこの5歳児健診が集団型であったら、親である私のメンタルが更に凹んで帰ってきただろうと思います。普段は出来る限り前向きに、息子自身の成長をしっかり見るようにしていますが、やはり息子と他の子を比べる(現状ある差を実際に見つめる)のは気持ち的に負担が大きいものです。ただ私も息子と共に少しずつメンタル強化されてきましたから、集団型でも頑張れるはず。
これを一つの気づきとして、息子のために今できること、やらなければいけないことを改めて考えながら息子と一緒にトライしてみたいと思います。